クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼは、アセチルCoAのアセチル基をクロラムフェニコール(Cm)の水酸基へ転移させる酵素。アセチル化されたCmはリボソーム50Sサブユニットに結合できなくなる。
クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)(EC:2.3.1.28)はアセチルCoAからクロラムフェニコール(Cm)へのアセチル転移を触媒する。クロラムフェニコールは原核生物のリボソームでのペプチド転移を阻害する抗生物質で、CATによるアセチル化にCmは不活性化される。酵素反応の中心的な役割を果たしているのは、酵素のC末端に位置するヒスチジン残基である。1
CATには上記の主要なファミリーと進化的に異なる2番目のグループもある。このグループはバクテリアの6残基リピート含有トランスフェラーゼファミリーに属している。2
Escherichia coli.のクロラムフェニコールと結合したCAT III型の結晶構造が得られている。3CATは分子量が約25000のサブユニットの3量体で、この複合体はは多くの水素結合で安定化されており、サブユニット越しにβシートが延長されて安定化されている部分がある。クロラムフェニコールは2つのサブユニット間の深いポケットに結合し、結合ポケットを形成する残基のほとんどは近接するもう一つのサブユニット上の残基。His195は一般塩基触媒として機能できる場所に配置されていて、構造的な安定化には、主鎖のカルボニル酸素による特殊な相互作用が必要とされている。