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PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)

DNAやRNAの特定の部分を増幅する方法。プライマーと呼ばれる短いDNA断片を鋳型となる核酸にアニールし、ポリメラーゼで連鎖的に伸長する。微量の鋳型からでも増幅でき、反応が2時間程度と短時間であるため、遺伝子工学研究では必要不可欠な技術となっている。

ポリメラーゼ連鎖反応

PCRがかからない場合に

PCRに必要な要素

PCRの操作は簡単ですが、反応は多段階・多基質の複雑な反応です。酵素と基質が適切な濃度や純度で存在していることは大切です。

ポリメラーゼTaqやPfuなど。これが無ければ無反応。
鋳型DNA純度は大丈夫?
dNTP材料が無ければポリメラーゼも仕事がありません。
forwardプライマー一応、ストック濃度の確認を。
reverseプライマーfwd同様、濃度の確認。
注文するときの向き(5'-の位置)は大丈夫でしたか?

その他のチェック

ダイマーチェック

自己ダイマーやループ形成、fwd/revペアのダイマー形成が起きないかどうか市販のソフトなどでチェックします。

プライミング部分の安定性

PCRで用いるポリメラーゼは、プライマーの3'末端で酵素/DNA複合体を形成し、鎖延長をはじめます(プライミング)。3'末端の安定性を上げるために3'末端がGCペアであることが好ましいと言われています。

マルチクローニングサイト

プライマーが回文配列の多い部分を幅広くカバーしていると、プライマーダイマー形成の可能性が高くなります。どうしてもダイマーが増えてしまう場合は、わざとプライマー濃度を下げるのも手です。

プライマーダイマー

PCR反応でのプライマーは鋳型DNAに比べて高濃度に存在するため、配列によってはプライマー同士でアニーリングしてしまいます。安定な二本鎖DNA(プライマーダイマー)が形成してしまうと、そのDNA断片だけが指数関数的に増幅されてしまい、目的のDNA断片が得られません。

分子間ダイマー形成

鋳型となる核酸でなく、プライマー分子間でアニールしてしまうと、ポリメラーゼが3'末端にヌクレオチドを繋げ、短い生成物が増幅してしまう。

同じプライマー同士のダイマー形成

FwdプライマーとRevプライマーのダイマー形成

分子内ヘアピンループ形成

この場合、目的のPCR反応に関与できない。また、配列によってはポリメラーゼが3'末端に相補ヌクレオチドを繋げてしまい、ループ構造がさらに安定化してしまう。

リンク

書籍